近年、スポーツ車対象の「電子変速機」が話題を呼んでいますね。
特色は、BluetoothやWi-fiを利用しディレーラーを制御し、スマホを通してフィーリング調整やブレーキング回数などをデーターベース化できることだ。
シマノ、スラム、カンパニョーロなど世界的なコンポーネントメーカーが続々製品をリリースしています。
・SHIMANO DURAACE R9200(紹介サイト Bicycle Club記事引用)
・Campagnolo SUPER RECORD WIRELESS(紹介サイト Cyclowired.jp記事を引用)
・SLAM FORCE AXS HRD SHIFT-BRAKE SYSTEM(紹介サイト Cycle Sports記事引用)
(↑上記、リスト名をクリックすると紹介サイトに移動します。)
無線コンポーネントのメリット、デメリットはなんでしょう?と調べてみると。。
〇メリット
・変速がスムーズ
・変速調整などメンテナンス手間がない
・手の小さい人でも使いやすい
・握力が弱い方も使いやすい
・防水性能が高く雨にも対応できる
・スイッチの位置をカスタマイズできる
・トリム調整を自動で行える
●デメリット
・充電を忘れると動かせなくなる
・不意な衝撃(ぶつけるなど)で故障する。
上記のメリット、デメリットから見ると、無線コンポはスポーツ車の用途にはメリット性が生かされると思いますが、一般車(ママチャリ、シティーバイク)用途では、まったく使い物にならないイメージを持ってしまいます。
我々がメーカーとして専門的に扱っているブレーキは無線化が成り立つのでしょうか?
ブレーキの無線化の可能性に関して書いた記事がありましたので、リンクします。
「電動ブレーキや無線ブレーキは、恐らく永久に販売されないだろう」
(ロードバイクが欲しい!初心者向けナビさんより引用)
この記事にある「システム故障時に”人が全手動で介入できないシステムは”危険”です。」というのはよくわかります。電動は言うまでもなく、電気が必要なシステムです。一般車でも電動アシスト自転車が増えている中、ブレーキに電気の供給は可能だと思いますが、止まらなければ大惨事を招いてしまうため、やはりブレーキは機械的な機構に100%頼らなければなりません。ただ、かなり限定的なユーザー用途だとは思いますが、ブレーキのドラム回転を利用したカロリー消費量表示などのヘルスケア目的のものや、ブレーキライニングの減りや破断などの状況を視覚化するなど、今後のDX的な使い方の用途はあるかもしれませんね。
結論、ブレーキに関してはワイヤレスというのは可能性は低く、ブレーキコンポーネントの発展はライニングなどの素材発展によるブレーキケースの小型化や、新しいフリクション(摩擦)機構によるものと思われます。