私たちはブレーキメーカーとして当然、
ブレーキの効きに関する意見を頂く機会は多く、
そして耳にすることも多いです。
自転車用ブレーキは一般的に、
ブレーキレバーからの引くチカラの入力を、
ワイヤーを通してブレーキへ伝えているため、
その構造的に
チカラの損失・ロス
が少なからずあります。
ここで言う損失・ロスとは、
ブレーキレバーへの入力全てが、制動力へ用いられないという意味です。
つまり、
ブレーキレバーそのものの”しなり”や、
ブレーキワイヤーの”伸び”が入力時のチカラを吸収してしまい、
せっかく強い力でブレーキをかけたにもかかわらず、
その苦労が全て報われないといった状況が、
ここで言う損失・ロスになるわけです。
では、それらの損失・ロスを完全に無くせば、
「インプット=アウトプット」となり、ブレーキの効きが最大限に発揮されるか!!
というと、コトはそう簡単ではないようです。
この「インプット=アウトプット」問題を考えるなら、
「インプットは正しくなされているならば。。」との前提条件が生まれるかと思います。
「インプットは正しくなされているならば。。」は、とても重要な考え方なので、自転車ユーザーの皆さんにもシェアしてほしい内容です。
ある研究によると、
自転車のブレーキを操作する際
「手が小さい人、握力の弱い人は制動力が劣る」といった結果が出たそうですが、
より深く考察すると
「手の小さい人は、力を上手く伝えきれていないのではないか」
といったことが明らかになりました。
手の小さな女性や、子供用から大人用自転車の切り替え時期中にある子供など、
装着されたブレーキレバーをそのまま操作すると、
持てる全てのチカラを発揮できない可能性があります。
では、これを回避する方法は??
【ブレーキレバーの調整】
です。
握りシロを適切に調整すること
自分に合うレバーにカスタマイズすること
で、力を発揮することが可能です。
また、中指は握力を発揮する際に重要な指となり、
この
中指とブレーキレバーとの関係を意識して調整すること
が重要とのこと。
自転車のブレーキを操作する際に最も身近なブレーキレバー、
少し意識してみると、ブレーキの効きが変わるかもしれませんね。
参考文献:自転車のブレーキレバーと手の大きさの関係に関する研究(㈵) / 人間工学 1997年 33 巻 Supplement 号 176-177