上はロングセラー商品、車椅子用の片支持用ハブです。
銀色に輝くこのハブ、実は適材適所、色々なメッキが施されています。
さて、このメッキですが、漢字で書くと
鍍金
となります。
常用漢字ではないので、現在では「トキン」と読んだり、「メッキ」または「めっき」と表記されることがほとんどだと思います。
メッキは仏教の伝来と同時にその技術が渡来し、
もともとは
塗金
と書かれ、
その後、
滅金
という文字が用いられました。
メッキの際に用いる水銀に金を溶かすと、一時的に金が水銀の色に同化することから、金が滅すると当時の
人は考えたのかもしれません。
明治初期まで滅金という文字が用いられており、
その後電気メッキが普及してからは、
今までのメッキとは異なるというマーケティング的戦略を込めて「鍍金」という字が用いられたそうです。
このメッキという言葉、何とも複雑な言葉の変遷をたどっているなと感心するばかり。
塗金 :大昔のメッキには塗る動作があったことから、この字を用いた
滅金 :金が滅する化学的現象からの当て字(慶長の辞書に記載あり)
鍍金 :電気メッキの普及によるマーケティング戦略的な当て字
メッキ:鍍が常用漢字でないことからひらがな、カタカナ化←いまココ
皆さんも身の回りを眺めてください。きっとメッキが施された多くの製品を目にすることと思います。
飛鳥時代から受け継がれる歴史の長い技術だと思うと、ロマンがありますね。
参考文献:「メッキの語源に関する考察」高浜二郎 電氣化学1959 年 27 巻 12 号 p. 653-656