「こんにちは」と題したメールが届いたのは、葉桜のころでした。
80年前のビンテージ自転車をこよなく愛するHさんから、
数枚の写真が送られてきました。
ちょうど外出自粛の時期ですので、
Hさんは2年前に破損してから、
だましだまし使っていたブレーキの修理に取り掛かりました。
お送りいただいたメールには、
自室で分解したブレーキユニットをレストアする写真があり、
「ステイホーム」
の時を有効に使っている光景は、
暗くなりがちな気持ちに光を差し込んでくれます。
この自転車に搭載されているバンドブレーキは、
唐沢製作所の製品歴史展示スペースにも展示のある「KARASAWA第一号バンドブレーキ」です。
「展示スペース記事はこちらから」
Hさんからは、
手を入れればしっかりと使える作りの良さに
「流石ですね」
とお褒めの言葉を頂きました。
最後に人気のないところで、
完成した自転車を撮影して終了。
まだまだ大切に乗っていきたいとのことでした。
しかし、この写真を見ると、
当時の自転車は高級品であったということが良く分かります。
まさに「質実剛健」、そして「艶麗繊巧」さが見て取れます。
自転車での遠出は少し先になりそうですが、
Hさんのように「ステイホーム」で日頃できないことを行うチャンスかもしれませんね。
※2020年4月7日 新型コロナウィルス蔓延により、緊急事態宣言が政府より出された。これに伴い、政府・自治体からは外出自粛の要請があり、人との接触をなるべく避けるようにとの要望が出された。民間では自発的に「ステイホーム」という合言葉を出し、自宅待機に伴う不安を払拭する取り組みがなされている。