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ありえないチャレンジNo.2 「新型ブレーキの開発苦労と進化」

ありえないチャレンジNo.2 「新型ブレーキの開発苦労と進化」

みなさん、暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか? 今回の記事も前回同様、株式会社ファシオネの登(のぼり)がブログを書かせいていただきます。よろしくお願いいたします。

2020年8月にこのブログで話題にした新型ブレーキ「P-fric」の開発
https://brake-maker.com/brakes/p-fric-news/)ですが、あれから長い年月が経っているにも関わらず、3歩進んで2歩下がる状況で、自信を持って良質な製品として世に出せる状況ではありませんでした。皆様の期待を裏切ってしまっているようで、大変申し訳なく感じております。

ブレーキとしての性能もさることながら、材料調達の難しさ、サプライヤーさんの離脱、試作費用捻出の困難さなど開発側面上の課題も多々あり悩んでいる反面、多種多様な業種からオリジナルブレーキの開発依頼が多々舞い込んできている状況で、どうしてもそちらのプロジェクトに時間を取られてしまうことが多くなってしまう現状があります。唐沢製作所としては、数多くのメーカーさんから開発依頼をお引き受けするということは、嬉しいことなのかもしれませんが、「P-fric」開発を自ら唐沢製作所に提案し実行している僕はどうも、不満が拭いきれません。

「P-Fric」の発案は、当初は「新しい機構を備えた自転車用ブレーキ」「変わり映えのない自転車業界にコンポーネントメーカーとして新風を吹かす」というビジョンから生まれました。(一社)自転車産業振興協会様にもこの開発企画が受け入れられ、開発補助金を受給でき2次開発までは順調に進みましたが、ブレーキの効きがあまり良くなかったりなどの課題もまた浮上したりと。。。

P-fric 2次試作の状況
実装時のP-fric

メーカーが背負う製品開発は「問題点把握」「課題抽出」「設計」「試作」「検証」を繰り返し、最終的には「品質保証」をすることがメーカーの使命です。

近年、某大手メーカーなどの「品質詐称問題」にもあるように、中小メーカーが品質に落ち度があり世間風評に晒された時には致命傷どころか、会社の存続に関わってきます。

「早くP-fricの開発を進めて世間にお披露目したいが、さまざまな課題をどう解決するか?」悩んでいる時に、唐沢製作所の唐沢社長が「今の日本ではなかなか難しい局面もあるので、日本より足の速い中国法人に協力を求めましょうか?」と言ってくださり、設計プロセスは日本で、試作は唐沢製作所の中国法人で行える方向になりました。

また、ママチャリなどの軽快自転車の最終組み立てメーカーの9割は中国にあるため、営業支援も中国で行う方向で進められそうですので、製品が完成した後の市場展開は明るい方向となった気がします。

また、開発が遅れていることを肯定的に捉え、このP-fricは「時計・反時計周りの回転方向に均等なブレーキがかかる」仕組みとなっているので、自転車用だけではもったいなく、最近、唐沢製作所に増えつつあるEV系モビリティ用のブレーキとして機能させるコンセプトが新たに立ち上がりました。ブレーキコアはそのままに取り付け方をステーやブラケットを使い多用にすることで、自転車用途以外にも受け入れてもらえるよう、開発方向を若干変更して取り組んでおります。 このP-fricのデビューはそう遠くないと考えますが、製品開発に関わる側面の問題(資金、材質、信頼性、品質維持など)をどうクリアするか?も重要です。

「P-fric」のマルチブレーキ構想


「あり得ないチャレンジ」には、唐沢製作所が今まで経験したことのない開発手順が必要になってきます。そこにあえてチャレンジする唐沢製作所スタッフの姿勢に負けないよう、弊社もしっかりサポートさせていただく所存です。

株式会社ファシオネ 登 豊茂男

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